第4章・第5章・第6章

ルールと入力禁止情報

ツール選定・入力禁止情報・成果物確認など、安全に使うための社内ルール

第4章 利用できるAIツールと使い方のルール

4.1 ツール選定の原則

業務で使うAIツールは、安全に使えることを基準に会社が選びます。選定の主な基準は次のとおりです。

4.2 ツールを使う際のルール

選んだツールを安全に使うため、利用にあたっては次のルールを守ります。

4.3 建設現場特有の留意点

生成AIの多くはクラウドサービスとして提供されます。図面・施工計画書・見積・現場写真などをクラウド経由で扱うため、日本建設業連合会「建設現場ネットワークガイドライン」を参考に、アクセス管理・データ保存・外部送信機能の制限などの情報漏洩対策を併せて整備します。

第5章 入力してはいけない情報(入力禁止情報)

AIに何を入力してよいか/いけないかを明確にすることは、情報漏洩を防ぐうえで最も重要なルールです。次の情報は、許可された法人向け環境であっても、原則として入力を禁止します。

区分具体例
個人情報従業員・顧客・協力会社担当者の氏名、連絡先、マイナンバー等。
顧客・発注者の機密発注金額、契約詳細、顧客固有の課題、未公表のプロジェクト情報。
技術・工事情報未公開の図面、特殊な工法ノウハウ、工事原価・単価、積算根拠。
現場写真・事故情報近隣住民や個人が特定される写真、クレーム・事故記録。
※やむを得ず使う場合は、匿名化・要約化を行い、AI導入責任者の承認を得ることを条件とします。

出典:日本国土開発「R6 生成AI利活用ガイドライン」を参考に建設業向けに整理。

図4 AIに入力してよいかの判断フロー
図4 AIに入力してよいかの判断フロー

5.1 【推奨】文書に「AI入力可否」の表示を付ける

社内で作成・保管する文書(テンプレート、図面、見積、議事録など)に、その文書をAIに入力してよいかどうかの表示(ラベル)をあらかじめ付けておくと、利用者が判断に迷わず、情報漏洩事故を減らせます。<br><br><strong>表示の例:</strong>[AI入力可]… この文書はAIに入力してよい / [AI入力禁止]… この文書はAIに入力しない<br><br><strong>運用方法:</strong>ファイル名の接頭辞(例:[AI可]見積テンプレート)、文書の先頭への注記、フォルダ分け(AI可/AI禁止)などで表示する。テンプレート段階で表示を入れておくと定着しやすい。

第6章 守るべきルール

6.1 社員が守る3つの約束

6.2 確認ルール(成果物の取り扱い)

AIの出力は常に「下書き」と位置づけます。対外提出物は、担当者確認 → 責任者確認 → 必要に応じて根拠資料の確認、という段階を踏みます。安全・品質・契約・法令に関わる内容は、AI単独で判断せず必ず有資格者が確認します。

図5 成果物(対外提出物)の確認の流れ
図5 成果物(対外提出物)の確認の流れ

6.3 人による関与(ヒューマン・イン・ザ・ループ)

AIが自動で外部に作用する場面(メール送信、見積提出、データ更新などをAIエージェントに任せる場合)では、実行前に必ず人が内容を確認・承認します。これは『AI事業者ガイドライン(第1.2版)』が示す考え方です。

図6 人による関与(ヒューマン・イン・ザ・ループ)の流れ
図6 人による関与(ヒューマン・イン・ザ・ループ)の流れ

出典:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」別添(令和8年3月31日)

6.4 禁止する使い方

参考:STO Building Group「Generative AI Policy」(禁止用途・通報窓口・外部AI利用ルールの海外参考例)